今日も今日とて、筍仕事。

にょきにょき、にょきにょき。
もうね、「どこから出てくるの?」って聞きたくなるくらい出てくる。
掘る。
また掘る。
まだ掘る。
途中から数えるのをやめた。
皮を剥いて、カマドでグツグツ。
火の番しながら、「あぁ、今年もこの季節か」と思う。
で、最後はどうなるかというと——
もういいや、ってなって
足で蹴っ飛ばして倒す。
ここまでが一連の流れ。
これが終わって、やっと一仕事。
そのあと、縁台でゴロン。

風が気持ちいい。
鳥がうるさい。
キウィの花の香りが甘くて幸せ。全てが気持ちいい。
そのまま、すとん、と昼寝。
——ここから事件発生。
携帯が鳴る。
「静岡県警の生活パトロール課の松田です」
寝ぼけながら画面を見ると、
電話番号の前に「+」マーク。
……あ、これ。
噂のやつだ。
詐欺だ。
でも、寝起きの私は弱い。
「は~……」
「そうですか~……」
「えっと~……もう一度~……」
(※ちなみにこの時、受話口を手でふさいでいたので本当に聞こえていない)
隣の部屋のじいさまに向かって、必死にジェスチャー。
口パクで「詐欺!詐欺!」と伝える。
しかし——
じいさま、
「どうした?電話壊れたのか?」
違う。
そうじゃない。
全然、通じていない。
仕方ないので、慌ててスピーカーホン。
相手は何か言っている。でも、話が進まない。
同じことをぐるぐる。
じいさま、真顔で一言。
「この人、話が下手だな」
そこじゃない。違うのよ。
で、私が意を決して言う。
「では折り返しますので、静岡県警の電話番号と所属課とお名前フルネームを——」
ここまで言った瞬間、
ガチャ。
早い。
決断が早い。
その後、ちゃんと静岡県警察に確認の電話。
結果:
「番号の前に+がついていたら海外発信です。知り合いでなければ、ほぼ詐欺ですね」
とのこと。
なるほど。
午前中は、地面から出てくる筍と戦い、
午後は、海外からの振り込め詐欺と戦う。
どちらも、油断すると増える。
そして何より——
じいさまとは、相変わらず話が噛み合わない。
これが我が家の日常。
春は忙しい。
どうか皆さま、
筍と、+マークとそして家族との会話にはお気をつけて。



















