青空の下、古民家と猫たち

古民家で暮らす老夫婦と、黒猫と白猫たちの穏やかな日常。薪の火を囲みながら、自然の中でゆっくりとした時間を楽しむ毎日。

春の筍祭りと、+マーク(詐欺)の向こう側

今日も今日とて、筍仕事。

白猫シロは薪小屋がお気に入り

にょきにょき、にょきにょき。
もうね、「どこから出てくるの?」って聞きたくなるくらい出てくる。

掘る。
また掘る。
まだ掘る。

途中から数えるのをやめた。

皮を剥いて、カマドでグツグツ。
火の番しながら、「あぁ、今年もこの季節か」と思う。

で、最後はどうなるかというと——

もういいや、ってなって
足で蹴っ飛ばして倒す。

ここまでが一連の流れ。
これが終わって、やっと一仕事。

そのあと、縁台でゴロン。

縁台に寝転がって見える青空

風が気持ちいい。
鳥がうるさい。

キウィの花の香りが甘くて幸せ。全てが気持ちいい。

そのまま、すとん、と昼寝。

——ここから事件発生。

携帯が鳴る。

「静岡県警の生活パトロール課の松田です」

寝ぼけながら画面を見ると、
電話番号の前に「+」マーク。

……あ、これ。
噂のやつだ。

詐欺だ。

でも、寝起きの私は弱い。

「は~……」
「そうですか~……」
「えっと~……もう一度~……」

(※ちなみにこの時、受話口を手でふさいでいたので本当に聞こえていない)

隣の部屋のじいさまに向かって、必死にジェスチャー。

口パクで「詐欺!詐欺!」と伝える。

しかし——

じいさま、

「どうした?電話壊れたのか?」

違う。
そうじゃない。

全然、通じていない。

仕方ないので、慌ててスピーカーホン。

 

相手は何か言っている。でも、話が進まない。
同じことをぐるぐる。

じいさま、真顔で一言。

「この人、話が下手だな」

そこじゃない。違うのよ。

で、私が意を決して言う。

「では折り返しますので、静岡県警の電話番号と所属課とお名前フルネームを——」

ここまで言った瞬間、

ガチャ。

早い。
決断が早い。

その後、ちゃんと静岡県警察に確認の電話。

結果:

「番号の前に+がついていたら海外発信です。知り合いでなければ、ほぼ詐欺ですね」

とのこと。

なるほど。

午前中は、地面から出てくる筍と戦い、
午後は、海外からの振り込め詐欺と戦う。

どちらも、油断すると増える。

そして何より——

じいさまとは、相変わらず話が噛み合わない。

これが我が家の日常。

春は忙しい。

どうか皆さま、
筍と、+マークとそして家族との会話にはお気をつけて。

じいさまと猫はほぼ一致している=会話はかみあわないが心は通じてる

筍、多すぎ問題。白猫屋、ひっそり営業開始します。

『白猫屋 開店いたします』

白猫屋 リーダー:シロ

春になると、この家は少しおかしくなります。

地面の下から、にょきにょきと顔を出す筍たち。
気づけば、庭のあちこちで競争するように伸びていて
こちらの都合などまったくお構いなしです。

掘っても掘っても、終わりません。

最初は楽しいのです。
土の匂い、見つけた時の小さな達成感。
でも、十本を超えたあたりからだんだん無言になります。

二十本を過ぎる頃には
「あぁ、もういいや」となって、
足で軽く蹴って倒したりもします。

それでも次の日には、また生えているのだから、
自然というのは、なかなか手強いものです。

そんな季節だけ、
この古民家はひっそりと名前を変えます。

白猫屋。

看板はありません。
営業時間も決まっていません。

猫はいます。
でも、出てくるかどうかは分かりません。

火はあります。
かまどに火を入れて ただぼんやりと過ごしています。

時間もあります。
急ぐ理由が、ここにはありません。

けれど、何かを用意して待つことはしません。
おもてなし、というほどのこともできません。

それでも——

なぜかここに来たくなる理由がある人だけ、
ふらりと訪ねてきてください。

筍は、たくさんあります。

チュールは順番待ちします♪

< ハガキ用>

白猫屋 開店いたします

筍が多すぎる時期があります。
まさに、今です。

掘っても掘っても終わりません。
途中で面倒くさくなって、蹴って倒すこともあります。

猫はいますが、来るかどうかは分かりません。

火はあります。
時間もあります。

何かを用意して待つことはしません。

それでも、ここに来たい理由がある方だけ、
お越しください。

白猫屋だけれど、黒猫農園もあるよ

AIに喧嘩を売られて、筍に負けた

今日はAIに人間味のご指導ご鞭撻を賜った。

しかも、「どうでもいいことをどうでもよく書ける」と言われて、マジ喧嘩うってるのかい、このAIは?という気分になってしまった。

実は、誉め言葉だったらしい。

人間味ってな~に~?猫だったら猫味?

でも、AIの書いた文章を読んで、本当に伝えたかったのはAIが書いた文章だと思った。

そう、自分ではなぜ自分の文章の方が雑に感じるのかさえ見つけられなかった。

自分がどんなふうに身体を動かしているのか、

心がどんなふうに感じるのか体験を書いたが

それを第三者の目で説明することは日常的にしない。

そもそも人間だから、人間味なんて考えない。

スナップえんどうと白猫シロさん

今日は筍を掘りまくった。

筍が多すぎた。

 

ふだんは鍬でえっほえっほって掘るんだけれど、今日は多すぎて

大きいのは蹴って倒した。

ちゃんと掘ったほうがいいのは分かっている。

でも、もういいやと思った。

面倒くさい。でも放っておいた。

 

放っておいたら、筍にハエがぶんぶん。

ちょっと笑った。

どうやら、勝ち負けの話じゃないらしい。

モッコウバラ満開

「人間味」というフレーバーは、どのくらい修行したら私に備わるんだろうか。

それ以上に、「どうでもいいことをどうでもよく書ける」才能自体、生きていくのに必要なさそうなのがこわい。

とりあえず眠ろう

古民家暮らしの春仕事~筍掘りからメンマ作りまで一日の記録~

目が覚めたのは、まだ空気がひんやりと湿っている時間。
時計を見ると、朝5時50分。

どこかへ還りたくなる景色

「さて、今日は何をしよう?」なんて考えるまでもなく、
春はもう、古民家の庭で待ち構えている。

長靴を履いて鍬を持って、竹林へ。

土を少しだけ押し上げる、あの独特の気配。
見つけた瞬間、あとは無心。
掘って、掘って、また掘る。

筍は、掘った瞬間から勝負が決まる

家に戻ったら、すぐにカマド作業開始。
皮を剥いて、鍋へ。
火にかけると、あたり一面に春の香りが広がる。

今日もかまどは朝からフル稼働。

・水煮用の筍
・発酵させるための下処理
・塩漬け用の仕込み  等

気づけば、台所は筍だらけ。

午後には発酵筍でメンマ作り。
コトコトと火を入れながら味が変わっていくのを見守る時間は、
なんとも言えず贅沢だ。

筍はいらにゃい・・・

「第一席」って、こういうことなんだろうね

ふと思い出したのが、北大路魯山人の言葉。

「筍の美味さは第一席」

まさにその通りで、掘りたての筍ってもうそれだけで完成されている。

缶詰とは別物。
調味料を入れすぎると、逆に壊してしまう。

だから今日は、できるだけ“白く”仕上げる。
味を染み込ませるんじゃなくて、筍そのものの甘さと香りを引き出す方向で。

火を通して少し冷めた頃、表面にふわっと白い粉が吹く。

これを見ると、「あぁ、ちゃんとできたな」って思う。

夕方、思いがけない来客

午後4時頃、JA共済の営業さんが2人。

地元の方だけど、普段はマンション暮らし。

ちょうどいいタイミングだったので——
・筍の水煮
・出来立てメンマ
・筍ごはんの素
・そして掘りたての筍そのもの

どっさり持っていってもらった。

「こんなの初めてです!」って、すごく喜んでくれてなんだかこちらまで嬉しくなる。

春は“食べる季節”

竹林で掘った筍が、その日のうちに食卓に並ぶ。

ただそれだけのことなんだけど、この一連の流れがすごく豊かだなと思う。

昔の人が、筍を大好きだった理由もなんとなく分かる気がする。

春は、目で見るだけじゃなくてちゃんと「食べる」ものなんだね。

今日という一日

朝は竹林。
昼はかまど。
午後は仕込み。
夕方はお裾分け。

特別なことは何もしていないのに、一日がぎっしり詰まっている。

たぶんこれが、この家で暮らすということ。

そして明日もまた、どこかで筍が顔を出しているはず。

さて、明日はどれだけ掘れるかな。

フムフム♪

 

春の恵みと、スマホ危機と、友の夜

夜の台所。
大鍋にたっぷりの筍。
ほんのり立ちのぼる湯気と、外から聞こえる春の気配。

今朝は、5時40分に目が覚めた。

春の朝は、空気がやわらかい。まだ静かな庭を抜けて、畑へ。
鍬を入れるたびに、土が少しずつほぐれていく。
この時間が、好きだ。

そして今日も、筍の日。
掘って、掘って、また掘って。

「もういいかな」と思っても、気づけばまた土を掘っている。
春って、そういうものだ。

持ち帰った筍は、そのまま竈へ。

火を入れて、ぐつぐつと煮る。

気づけば四回転。竈フル稼働の日だ。

火の前にいると、不思議と落ち着く。
ただ、手を動かして、火を見ているだけなのに。

その合間に、調理もして春の恵みを台所いっぱいに広げる。

今日もいい日だな と思っていた、その時。

――スマホ、壊れる。

なんというタイミング。

急に現実に引き戻される。慌てて、あちこちのサイトを見て回る。

価格、状態、保証、バッテリー。
気づけば頭の中は、完全にデジタルの世界。

さっきまで土と火の中にいたのに、人間って忙しい。

ようやくひと息ついた頃、今度は友人からの電話。

気づけば、二時間。

理不尽な話に、怒ったり、笑ったり、ため息をついたり。
遠くにいるのに、すぐそばにいるみたいな時間だった。

近ければ、きっと会いに行っていたと思う。
でも今日は、電話でよかったのかもしれない。

一日の終わり。

朝からずっと動き続けて、気づけばいろんなことが詰まった一日になっていた。

春の恵みと、思いがけないトラブルと、
誰かのための時間。

どれも、ちゃんと自分の一日。

さて。
あとは、いいスマホが届くことを祈るだけ。

「忙しい日ほど、よく生きた日。」

このポーズが大好き

里山贅沢 春の筍祭り

掘っても終わらん 春の筍祭り

これが一竈分の茹でた筍

朝、古民家の庭をぐるっと一周。
昨日掘ったはずなのに、またニョッキリ。

「あれ?」
「また出てる。」

春ってすごい。容赦ない。

かまどフル稼働

掘った筍は、そのままかまどへ直行。
米ぬかと一緒にコトコト、コトコト。

気がつけば――
かまどひとつ分、丸ごと筍。

(これ、まだほんの一部なのが怖いところ)

大きな鍋の中で、静かに白く仕上がっていく筍。
この瞬間が、いちばん好きかもしれない。

1枚目の茹でた筍でこれだけの筍料理ができます

ここからが本番

茹で上がったら、次は加工祭り。もうね、止まらないのよ。

  • 塩蔵筍(長期保存用)← 常温保存
  • 筍まぜこみご飯の素(これ最強)
  • メンマ(じいさま大喜び枠)
  • 春巻き用筍(未来の自分へのプレゼント)

気がつけば、台所はちょっとした工場状態。

真空パックされた袋が並ぶ光景はなんだか笑えるけど、ちょっと誇らしい。

筍掘ってる近くでは白猫たちが木登り祭り中

春の貯金

こうして仕込んだ筍たちは、
これからの食卓を支えてくれる「春の貯金」。

といっても、1年分。いつでも食べられる筍料理。

忙しい日でも、袋をひとつ開ければあっという間にごちそうになる。

自分も家族も友人たちも大好きな筍を、今日もせっせと仕込むおばぁちゃんの味。

うちには「白」か「黒」しかおらん by じいさま

そしてまた明日

夕方、庭に出ると――

また、ニョキ。

終わらない。ほんとに終わらない。

でも、それが嬉しい。

今年も我が家は
「掘っても終わらん 春の筍祭り」開催中。

昼寝は必須

春は、止まらない。筍と鶯と、ちょっとした実験の話

朝、外に出た瞬間にわかる。
「あ、今日は掘る日だな」って。

筍の合間にフキや椎茸も収穫:このキウィ棚の下が椎茸

まだ少しひんやりした空気の中、竹林へ。
そして——掘る、掘る、掘る。

とにかく掘る。

今年の筍は遠慮がない。顔を出したと思ったら、もう次。
一本抜いたら、その横からまた一本。

終わりが見えない。でも、こういう終わらなさは嫌いじゃない。

カマド、フル稼働

掘った筍はそのまま4台のカマドへ。

我が家の春はここからが本番。火を入れて湯を沸かして、あく抜き開始。

コトコト、コトコト。
火の音と湯気と、ほんのり甘い香り。気づけば鍋はフル稼働。
「もう入らないよ?」と言いたくなるくらい詰め込んでも、まだ外には次の筍が待っている。

贅沢なのか、労働なのか。たぶん、その両方。

夕方、また生えてるという現実

で、夕方。

ふぅ、と一息ついて外を見ると——

ニョキ。

え?

さっきまでなかった場所に、また生えてる。

ニョキニョキ。

……終わらない。これぞ春!

今年の鶯、当たり年

作業中、ずっと耳に入ってくるのが鶯の声。

今年はね、上手いのよ。ほんとに。

「ホーホケキョ」がちゃんと「ホーホケキョ」してる。

でも、たまにいるの。問題児が。

「ホ~ホケッ、ホケッ、ケッケッケ?」

惜しい。すごく惜しい。

気になって手が止まる。本人(鳥)はたぶん本気なんだけど、どうしても笑ってしまう。それも含めて、春。

そして、我が家は実験中

話は変わって。

今年の我が家、ちょっとした実験をしている。

  • ブルーベリー:20種類
  • 苺:数種類(今年初挑戦)
  • じゃがいも:8種類

全部、同じ条件で育ててみる。土も日当たりも水も、できるだけ揃える。
そのうえで——味はどう変わるのか。

甘さは?
香りは?
食感は?

「どれが一番おいしいか」をちゃんと知りたい。

遊びだけど、本気

こういうのって、完全に遊びなんだけど。

でもね、やるなら本気。

だって、同じ“食べる”なら、ちゃんと違いを知った方が面白いから。

~小学生風日記~

・筍は掘っても掘っても終わらない
・カマドは春になると戦場になる
・鶯は上手い子と惜しい子がいる
・そして我が家は、今日も実験中

たぶん明日も、また掘る。

春って、忙しいね。
でも、こういう忙しさは悪くない。

じいさまにピタッとくっついている黒猫ラッキー